第329回モーニングセミナー
栞 第1条 「今日は最良の一日、今は無二の好機」
テーマ 「こころの整理-えひめ丸事故から11年に思う-」
講 師 新田青雲中等教育学校
校長 永井 博 氏
参加社 27社31名
今回は、「えひめ丸」の事故対応に携わった永井さんに、当時の状況などを講話いただきました。
永井さんは県の代表として2001年2月10日に発生した「えひめ丸」の衝突事故の担当者の一人として現地に赴き、対応されたとのことでした。すべての交渉が、日米の外交レベル交渉になり話が進まないことと、遺族の悲しみや苦しみの中での心のケアなど合わせて苦労されたとのことでた。また、米国では転覆した船は引き上げないという国の考え方の違いなどから、進捗が遅れた要因もありましたが、転覆から8ヶ月後に、600mから30m程度まで引き上げ遺体の収容をしたそうです。捜索から1ヵ月後、1800mの深海に沈めたとのことでした。1周忌に様々な制約の中で、慰霊碑を現地に設立して除幕式を行ったとのことでした。
また、愛する人を失った人が陥るプロセスとして「悲嘆のプロセス」というものがあります。①精神的打撃と麻痺状態 ②否認③パニック④怒りと不当感 ⑤敵意とうらみ⑥罪責感⑦空想形成ないし幻想⑧孤独感と抑うつ⑨ 精神的混乱と無関心⑩あきらめー受容⑪新しい希望ーユーモアと笑いの再発見⑫立ち直りの段階ー新しいアイデンティティの誕生 以上12プロセスあり、全てこの12のプロセスを通るわけでなく、必ずしもこの順序通りに展開するとは限りませんが、複数の段階が重なって現れることもあり、立ち直るまで最低1年くらいはかかるとのことでした。